カバー工法

カバー工法とは。その種類と効果。

解体しないリフォーム工事。

解体しないリフォーム工事がその種類を着実に増やしています。いままではリフォーム工事と言えばまずは既存の建築材を解体することから始めるのが当たり前でした。解体工事を実施することで室内全体にホコリが舞い散ってしまうほか、廃材費用もかかります。ですがカバー工法の出現により、廃材費用は最小限に抑えることが可能になり、今まで手の届かなかったリフォーム工事が身近になってきました。そんなカバー工法ですがどんなもんがあるのか順に見ていくことにしましょう。

玄関ドア交換

LIXIL リシェント玄関ドア

カバー工法の代表例が玄関ドアの交換になるでしょう。今まで使っていた玄関ドアの本体をドア枠から取り外しドア枠を新しいドア枠で「カバーした」のちに新しい玄関ドアを吊り込むというものです。すでに実施された事がある方も多いのではないかと思います。玄関ドアのカバー工法の利点としては①工期が1日程度で済むことが挙げられます。朝午前9時くらいから工事を始めるとその日の夕方には交換が完了しているという訳ですね。工期が1日で済むということは防犯の面でも大変助かります。もし工事が2日から3日かかるようなことがある場合には、玄関ドアが設置されるまで玄関ドアの開口部にはなんらかの防犯処置を施さねばいけないことになります。②既存壁を壊す必要がないこともメリットの一つです。もし既存の玄関ドア枠を解体することになれば、玄関ドア枠が設置されていた壁も必然的に壊す必要が出てきます。既存の壁の補修が必要になるのですが、壁の種類は千差万別で同じような壁が再現できない場合もあります。そうなると壁の補修工事に別途工期が必要になるので上記のように防犯処置を施すことになりリフォーム費用もかさむことになります。注意して頂きたいのは、このカバー工法による玄関ドア交換工事を実施するに当たり既存の玄関ドアの開口寸法に新しい玄関ドアの大きさを合わせる必要があるので、工事着手前の現地調査が非常に重要になると同時に特寸の玄関ドアが出来上がってくる日程がある程度必要なので、その日数を計算する必要があることです。商品が出来上がるまでの日数を計算に入れ工事する日を決めましょう。

内装ドア交換

LIXIL リノバ

考え方は玄関ドアと同じです。既存の枠は取り外しはせずにドア本体のみを交換する方法です。もちろん既存の枠は新しい枠でカバーしますが。既存の枠は解体しないので既存の枠に接していたクロスはいじめることはないのでドア交換に比べて工期の短縮が図れます。

屋根材

kmew 屋根材カバー工法

屋根材にもカバー工法があります。既存の屋根材をそのまま残しその上に新しい屋根材を葺くというものです。既存の屋根の上に防水シートと新規屋根材をかぶせる工法です。メリットとしては①工期が屋根の葺き替えに比べ短く済む②屋根の葺き替えに比べリフォーム費用が安く済む ことでしょうか。ただしデメリットもきちんと押さえて下さい。①耐震性が低下する。どういうことかというと住宅の耐震性を向上させる手段として頭(ここでは屋根材を指す)を軽くするというものがあります。「頭」を軽くすることで地震で建物が揺れた場合でも揺れが大きくなることを防いでくれます。ただカバー工法は既存の屋根材の上に新規の屋根材を被せるので頭は重くなってしまいます。②カバーできる屋根材に制限がある。 瓦屋根には使えません。③デメリットと言うとちょっと違うかもしれませんが、既存の屋根の下地が腐食している場合には腐食を是正せずにそのままカバー工法で屋根材を葺く行為は大変危険です。腐食を早めてしまい屋根が陥没、せっかくカバー工法でキレイにした屋根材が無意味になることも考えられるので、カバー工法実施前には既存の屋根の健康状態を良く観察しましょう。

外壁材

kmew 外壁リフォーム

そして外壁材にもカバー工法が存在します。今ある壁の上に新しい外壁材を貼るというものです。貼り替えに比べ大幅に工期が短縮することが最大のメリットで 既存壁を撤去することで発生する廃材搬出費用も抑えることが可能です。また新しい壁で住宅を覆うので断熱性能がアップするというようなこともメリットとして挙げられると思います。メリットがあれば当然デメリットがある訳で・・・①結露が発生するケースがある。というものです。これは結露を防水する空気の通り道をきちんと確保すれば防げるので、カバー工法に熟知した実績十分の施工会社を選ぶことで防ぐことが可能です。②既存の壁の上に新しい壁を被せるので、既存の開口部(サッシや玄関ドア)と新しい外壁材との設置部の収まりがキレイにいかない場合があることを注意してください。③建物自体が単純に重くなる。これは建物の耐久性にも若干影響してきますので採用の際には予め了承頂くと良いと思います。そのために新しい外壁材には出来るだけ軽い外壁材(金属系サイディングなど)を採用されることをお勧めします。

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hiro
住宅資材卸会社での営業経験とリフォーム会社での現場施工管理で培った経験をもとに、みなさまに快適空間をご紹介できればと思いブログを作成させて頂きます。