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キッチンもワンデー。
浴室、トイレと続いて今度はキッチンのワンデー・リフォームを見ていきたいと思います。キッチンのワンデー・リフォームは押さえるポイントをしっかり踏まえて実施すれば難しいことは何もありません。
現地調査を実施
現地調査がどのワンデー・リフォームにも大変重要であることは同じです。それでは現地調査をするに当たって注意する点はどんな所かみなさんと共有してみたいと思います。
既存の給水・給湯管の材質はなにか。
意外と重要なのが既存の給水管の材質です。新しい住宅の場合には架橋ポリ管と呼ばれるプラスチック製の配管で敷設されているので新しいキッチンとの結びも比較的容易ですが、古い住宅の場合には銅管という場合もあります。接続に手間がかかるのと、接続に別途部材が必要になることもあり、工事当日慌てないように準備をしておく必要があります。
給水管の設置方法を見る
これも事前準備に繋がる話なのですが、給水・給湯管は床下からキッチンに立ち上げる際に背壁からキッチンの背板を貫通させてキッチンフロアユニット内に配管するのか、床下からフロアユニットの底板を貫通させてフロアユニット内に貫通させるのかによって、部材(止水栓)が変わります。通常のキッチンリフォームではキッチンを解体してから確認しても遅くはないのですが、ワンデー・リフォームですので事前準備として既存配管設置に合った部材を持参するようにします。
床の懐(配管の勾配が上手に取れるか)の確認
特にマンションなどの床下の懐(空間)が少ない・あるいは「ない」場合は要注意なのですが、観音開きタイプのキッチンから引き出し式のキッチンに交換する場合には床下配管が取れるかどうかの確認が非常に重要になってきます。
観音開きタイプのキッチンは、キッチン内部にも配管の勾配を取れるだけのスペースを有しているのでそれほど問題にすることはないのですが、引き出し式のフロアユニットの場合建物内の排水管の位置にもよりますが設置が難しい場合があります。もしこのままでは新規のキッチンが設置できない場合、キッチンの位置を少しずらして対応するかキッチンフロアユニットの下端に排水管を通すため、嵩上げ(かさあげ)をする必要があるかもしれません。
嵩上げとは今のフロアレベルから木材などを使って1段高い
床を造作することを言います。
設置位置を変更する場合はワンデー・リフォームは難しい
設置位置を変更する場合、新規に工事を対応しなければならない部位が多岐に渡るためワンデー・リフォームの対応が難しくなります。
- もともとキッチンあった所の床の補修
- もともとキッチンがあった所の天井の補修
- 給水管・給湯管 排水管の移動
- 新規に設置するキッチン床面の開口工事
- 新規に設置するキッチン廻りの壁の新規造作 などです。
ワンデー・リフォーム(キッチン)の流れ
事前準備における注意点を見てきましたが、施工当日の工事の流れとともに注意する点を見ていくことにします。
解体工事
室内を汚さないように養生はしっかり対応するようにします。特にドア枠に廃材をぶつけてしまい傷になるケースというのも多いので、床だけでなく腰高まで養生するように心がけます。解体するのはキッチンですがキッチン設置部位意外に粉塵が舞い散らないように養生カーテンを設置して工事を始めるようにします。
設備工事
解体が完了すれば、配管工事です。切り回しと呼ばれる工事になります。キッチンワンデー・リフォームの肝になる工事です。排水管はキチンと勾配が取れるように切り回し工事を実施します。
電気工事
キッチンに新しく手元灯が付く場合やキッチンにコンセントが付く場合などには配線をしなければなりませんので電気工事が必要になります。IHヒーターを新設する場合は専用の200Vの配線が必要になりますので分電盤のルートをしっかり事前に確認する必要があります。
大工工事
既存のキッチンが設置されていた壁面のタイルやパネルを解体すると内側に施工されていたボードまで破損してしまうことがあり得ます。そんな場合にはボードを新しいものに貼り替えたりします。またキッチンを交換する訳ですから、壁の補強が新たに必要になってくる場合もありますので大工工事にて対応していきます。
キッチン取り付け工事
大工工事を実施したらいよいよキッチン組立に入ります。最初にキッチンパネルを加工し壁に貼り付けていきます。キッチンパネルはモノにより縦方向に貼る専用のもであったり、横張り専用のモノであったり、壁の途中で連結が出来てしまう場合がありますので、事前の打ち合わせをしっかり取るようにします。
キッチンパネルを貼り終えた後はレンジフードを取り付けます。必ず実行することは調理機器からレンジフードの下端まで必ず800㎜離隔距離を取ることです。消防法で決められているので必ず守るようにします。
その後は吊り戸を設置していきます。最初にフロアユニットから施工してしまうと吊り戸が設置しにくくなりますのでまずは吊り戸から設置。その際には手元灯の配線を出す位置に気をつけましょう。
吊り戸を設置終えたらフロアユニット。箱を並べていき箱の上に天板を乗せるイメージです。天板を乗せ終わったら箱に引き出しを入れていき動作確認、微調整を行います。(吊り戸の扉の微調整も)
最後にキッチンと壁の取り合い部にシーリング材を充填して仕上げます。
結び工事
キッチンを取り付けた後、設備工事では給水管、給湯管、排水管などを逃げ配管にそれぞれ連結させます。電気工事ではキッチンレンジフードの結線及び排気ダクトの結びを実施します。またた忘れていけないのはガスの結び工事です。調理機器がIHヒーターの場合は別としてガスの場合は忘れずにガス管の結びを実施します。
その後各機器の動作確認を経て工事完了となります。
まとめ
キッチン工事の成功のポイントは排水管の設置。特にマンションでは床の懐が戸建てに比べて少ないのでやっかいです。最近のキッチンはフロアユニットの収納が観音開きタイプではなく引き出し式が主流になっています。引き出し式だと排水管の位置に制限がかかるため最悪の場合キッチンのフロアユニットの下を嵩上げしないといけなくなる場合があります。キッチンを設置する際に起こりうる問題点を知っておくことはワンデー・リフォームを成功させるためにも有意義であると考えます。